どうもこんにちは!
今日のテーマは委託給食の仕事は管理栄養士のキャリアで役に立つか?です。
時々、某栄養士質問コーナーを見るのですが、委託給食で働いている管理栄養士さんは
「委託の仕事しかしてないから、他の管理栄養士の仕事に転職してやっていける自信がない…」
と思って悩んでいる方、結構多い印象です。
結論から言うと、
委託給食の仕事は、他の管理栄養士の仕事にもかなり役に立ちます!!
実際に何年も委託給食を経験した上で病院管理栄養士に転職した私が、
具体的にどのように役に立つのか説明します!
(基本的には病院直営に転職を考えている人向けです。私が企業に就職した事ないので…)
調理業務が役に立つ事
調理業務は委託給食の仕事として付き物と思います。
特に入職1~2年くらいの新人さんは現場経験から、という職場も多いかと思います。
調理業務をメインにしている方が、「調理しか出来ない自分なんて他に転職出来ない…」
って思っている方、多い気がします。
でも!自信持ってください!!
調理業務で役立つ病院管理栄養士の業務は以下の通りです!
・栄養指導
・アレルギー対応
・委託給食や調理師とのやり取り
・保健所監査
まずは栄養指導です。
普段から献立を見ながら調理を行うので、大体の食事の分量が分かってきます。
例えば、1600kcalならご飯の量はこれくらい、
腎臓病などたんぱく制限が必要な方は主菜が大体これくらい、禁止食材はこれ、
嚥下状態が良くない方は、嚥下しやすい形態の作成方法など…
こういうのって、知識で持っているだけよりも、
実際に現場で経験している方が上手に伝えられたりします。だって容易に想像が出来るから。
調理をしていなくとも、盛付・配膳担当だったとしても身に付く感覚だと思います。
この感覚があると、めちゃくちゃ具体的な指導が出来ますよ!
次が、アレルギー対応です。
病院側がしないといけないアレルギー対応は、どこまで禁止かを把握する事です。
例えば、小麦アレルギーならつなぎや調味料は大丈夫なのか、などです。
意外と個人差があるし、下手したら命に関わる事だけど、他職種はアレルギーに疎いです。
なので栄養士側の聞き取りになる事が多いかと思います。
現場経験者なら、アレルギーの範囲や禁止食が必要か不要かの判断がつきやすいです。
患者対応や厨房側への伝達の時に、的確に対応出来ると思います。
次に、委託給食や調理師とのやり取りです。
委託給食や調理師等の現場サイドは、現場を分かっていないような発言を嫌います。
そこから関係が悪化する事だってある。
現場に要望があるけど、どれだけ現場に負担がかかるかっていうのは、
実際に現場にいた事がある方が分かるから、要望の伝え方に表れると思います。
そもそも現場を経験していないだけで文句を言われる事もあるので、
現場を経験している方が、委託・直営問わず、現場サイドとのやり取りがスムーズです。
最後に、保健所監査です。
現場をしている=衛生の知識があるので、保健所監査対策がやりやすいです。
問題点を把握してどう改善するかまで、とてもスムーズと思います。
また、衛生書類チェックもやりやすいのではないかと思います。作成経験があるので。
保健所監査、頻度は少なくても年1回の重要な病院行事なので、大いに役立ちます。
栄養士業務が役に立つ事
次に献立・発注・棚卸といった栄養士業務です。
ここを経験されてから転職に悩む方も多いのではないでしょうか。
栄養士業務を経験されている方は、上の調理業務に加え、以下に役立ちます。
・献立作成・献立チェック
・嚥下調整食や約束食事箋の改定
・病院での発注・棚卸業務
まずは献立関連ですね。
直営なら献立作成もあるし、委託が入っていても、献立チェックを行う施設が多いと思います。
献立作成経験があれば、どちらもやりやすいのは想像に難くないですよね!
めちゃくちゃやりやすいと思います。
これは中々ないと思いますが、嚥下調整食や約束食事箋の改定です。
これは私の経験上ですが、今の職場で嚥下調整食を改訂しました。
意外と嚥下調整食って、施設によってバラバラだったりするんですよね。
バラバラなだけなら良いですが、患者様目線で全然安全じゃない時もあります。
ただ、改定にあたり、実際に献立作成と調理を行う現場との交渉は欠かせません。
どういう嚥下調整食なら現場がやりやすいかを提案出来れば、交渉はスムーズです。
その辺りの感覚は、やはり現場経験あってこそと思います。
また、約束食事箋も、「このエネルギー量でこのたんぱく質量…?この主食量…??」
といった違和感が出る事があります。(実際ありました…笑)
数年前にあった、成分表改定によって、約束食事箋をいじらざるを得ない事もあります。
もちろん滅多にある事ではないですが、いざあった時、慌てないで済むと思います。
また、病院側でも発注・棚卸業務があったりします。
濃厚流動食や補助食品などですね。こういうのも経験あれば理解が早いです。
責任者業務が役に立つ事
最後に、責任者業務が役立つ事です。
労務管理や売上管理といった、栄養士業務とはかけ離れるものですが、もちろん役に立ちます。
・医師や役職者とのやり取りがスムーズになる
・数字に敏感になる
・ビジネスマナーが身に付く(メールの文面など)
まず、医師や役職者とのやり取りがスムーズになります。
委託の責任者って、本部の役職者(エリアマネージャー等)とのやり取りが多いので、
報連相や要望の伝達を身をもって学ぶ事が出来ます。
病院でいえば、医師や事務長などにあたりますね。特に報連相って大切なので、
栄養課の現状や行っている事を自然に伝えられます。
協力を得られたり、評価に直結したり、仕事がやりやすくなると思います。
また、数字に敏感になります。
委託会社によるかもしれませんが、責任者は所属事業所の労務・売上管理をする事があります。
病院に置き換えれば、栄養課の残業や加算がそれにあたります。
そこを管理出来れば病院経営に貢献できますし、それをちゃんと報連相したら…
間違いなく評価に繋がります。良い事尽くめですねぇ♪
もちろん簡単な事ではありませんが、1つ目の役職者とのやり取りを駆使すれば可能です。
私は今の職場で、半年で約20万の加算増を達成しました。
そのおかげで、院長から「栄養課は彼女(私)の好きにして良い」と言われたんです。
大変な事だけど、成果が出た時の旨みはひとしおですよ!
最後に、ビジネスマナーが身に付きます。
これも責任者ならではですが、電話対応やメール対応を行うので、必然的に
ビジネスマナーが身に付きやすくなります。
ビジネスマナーは当然、どこにいても役立つスキルです。
好印象を得やすいし、人間関係を構築しやすくなりますよ!
これは管理栄養士としては、企業に就職しない限り中々得られない経験なのではないでしょうか。
まとめ ~委託給食を経験した管理栄養士は強い!~
こう見ると、委託給食でどの業務を行っていたとしても、
転職した先で役立つスキルを得られる事が分かるのではないでしょうか。
どれも、私の実体験に基づいています。
さらに言うと、人間関係で揉まれるので忍耐力が身に付く、
マルチタスクなので、仕事の優先順位が身に付き、業務効率が良くなる
という大きなオプション付きです♪(所属する事業所によります)
一応、メリットだけでなく、デメリットもあげておきます。
デメリットは、必要に応じて臨床の勉強をしないといけない事です。
私の場合は大学で学んだ依頼、約10年は臨床栄養を離れていたので
分からない事はすぐに調べたりしていました(特に医療用語)。
それでも、めちゃくちゃ大変という訳ではなく、その都度理解していけば問題ない程度なので
そこまで不安がる必要はないかなーと思います。
なので、臨床が嫌い、勉強が嫌いな方にはおすすめ出来ないかなと思います。
(あくまで「嫌い」な人であって、「苦手」という方ではないですよ。)
また、過去の私のように「給食業務経験者優遇」や、それ自体が条件として出る求人もあります。
(詳しくは過去記事:私の経歴について③-2の「最後に」をご覧ください!↓↓↓)
https://ka-shi-foodream.com/%e7%a7%81%e3%81%ae%e7%b5%8c%e6%ad%b4%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6%e2%91%a2-2%ef%bc%88%e5%a4%a7%e6%89%8b%e5%a7%94%e8%a8%97%e7%b5%a6%e9%a3%9f%e6%99%82%e4%bb%a3%e3%81%9d%e3%81%ae2%ef%bc%89/
病院側としても、給食業務経験のある管理栄養士は需要がある、という事ですね。
なので、委託会社に勤めている・経験のある管理栄養士の方々!!もっと自信を持ちましょう!!
以上です!お読みくださりありがとうございました!!
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